早起き30分一本勝負

目が覚めてから30分で記す驚天動地なブログ

『カツ漬けマグロミートパスタピザ』好きな人。

ちょうどこのブログを始めた頃から、映画を観るのが趣味の一つになった。小さいころから、映画は好きだったけれど、ちょこちょこ話題作だとか、友人の勧めで観ることはあったが積極的に観る事はあまりしてこなかった。しかし、最近では、家で一日一本、映画館で週一本映画を観る生活になってきた。そんな中で、一つ違和感がある。自分は映画好きを名乗るには、センスがない作品がどうやら好きらしい。けれども、センスがあるとされる作品は、どうにも自分にはセンスがあるように思えない。

例えば、今日自分は二つの映画を観た一つは、松本大洋原作の『青い春』。この作品は、いわゆる不良が、不良なら陥る可能性のあるすべてのミスを起こしていくその過程での主人公の成長を描いていて、ストーリーは一貫して退廃的な雰囲気を漂わせる(おおざっぱすぎるのはご了承ください)。そして、もう一つが、現在公開中の『海辺の映画館』。この作品は、様々な戦争映画に主人公たちが入り込む中で、日本の戦争の歴史と映画の歴史を示すことを目的にしている、しかしながら、ストーリー中の彼らは、過去の文豪の言葉を引用したり、時を行ったり来たりして、雰囲気もミュージカル映画風から急に無声映画、トーキー映画、荒いCGから最新のCGなど様々な技術を駆使する。見てもらわないと伝わらないと思うが、どちらが好きかと聞かれて、センスがあるように思われるには、『海辺の映画館』を選択するべきなのはなんとなく理解していただけるだろうか?後者の映画には、様々な技術や知識が盛り込まれているそのためその一つひとつを理解できるものがセンスがあるとされる。この行為が果たしてセンスがあるのかというのが今回の問題点だ。

後者の映画を好きというのは、食事に置き換えると、『私はカツ漬けマグロミートパスタピザが好きだ。』ということになると思う。もし、好きな食べ物でカツ漬けマグロミートパスタピザと答えたらセンスがない人にならないだろうか?そもそも、カツ漬けマグロミートパスタピザとは何かという話だが、それはピザ生地の上にカツ、漬けマグロ、ミートパスタが乗っているものを想像してほしい。確かにそれぞれはおいしいしおそらく漬けマグロを除けばそんなに食い合わせも悪くはないだろうけれども、決してセンスがいいとは言えない。それよりも、2500円のホテルカレーと答えた方がセンスがいいと思われるはずだ。それにも関わらず、こと映画になると要素は盛り付ければ盛り付けるほどセンスがいいとされるこの現象が理解できない。もっと言えば、映画にかかわらず他の小説、アニメなどの娯楽全般にこれらは言える。さらにさらに、ファッションにおいてそれは、さらに顕著になる、赤いトップスに緑のジーンズ、足元には紫色のブーツを履いている人のことをおしゃれといって、白Tに、黒いチノパン、スッキリとしたスニーカーを履いている人は逃げといわれる。色々なものを小さく表現することがセンスのあることとされている。しかしながら、言いたい。一つのものを大きく表現することもまた素晴らしいのではないかと。

けれども、カツ漬けマグロミートパスタピザ好きのジャンキーにはこの言葉が響かないのも知っている。濃い味、複雑な味に舌がなれたものは、薄味の旨味に気づくことはできないのだか。